国際環境NGOグリーンピースとは グリーンピースは51年前、アメリカ軍の核実験をやめさせるために、船で実験場をめざした人たちの手で設立されました。以来50年以上にわたって、緑豊か(グリーン)で平和(ピース)な世界をめざし、核実験の被害にあった南太平洋の島の住民の救出、国連での核実験全面禁止条約の採択、チェルノブイリ原発事故や福島第一原発事故の放射線調査、各地の原発の事故リスクの分析など、核兵器や原子力のない社会の実現のために活動しています。
戦争で浮き彫りになった原発のリスク
1986年に「人類の歴史上、もっとも深刻な環境破壊」といわれる事故を起こしたチェルノブイリ原発は、現在ロシア軍による占拠下にあります。
36年前に爆発した4号炉は、全体がコンクリートで覆われて閉鎖されていますが、中は放射性物質が充満しており、メルトダウンを起こした核燃料はいまも中に残されたままです。
そして3月4日、ヨーロッパで最大級、しかも老朽化したザポリージャ原発が攻撃され、火災が発生しているという報道を、私たちは祈りながら見守るしかありませんでした。この原発も、現在はロシア軍が占拠しています。

ウクライナでは、ロシア軍による侵攻の時点で、ザポリージャ原発の6基を含めて15基の原発が稼働していました。
原子炉建屋と使用済み核燃料プールは、ミサイルや砲撃に耐えられるように設計されていません。最後の砦である原子炉格納容器が爆発物によって破壊されれば、放射性物質が放出される恐れがあります。また、原発施設の運用には高度な技術を持った作業員が必要です。軍事攻撃により、人員が減ったり、作業に集中できなくなったりすると、ヒューマンエラーの増加につながる可能性があります。
原発はただでさえ危険です。
しかし、武力衝突、避けられない大地震や津波、気候変動によって増える集中豪雨や台風にさらされれば、その危険は大幅に増えます。
原爆投下と原発事故を
経験した日本だからこそ
1945年、私たちの祖父母、曽祖父母世代が、意図的な核攻撃によって、広島と長崎で被ばくしました。
2011年の東京電力福島第一原発事故では、原発がコントロールを失ったときにどれだけのリスクが及ぶかを、私たちは身をもって経験しました。
原子炉や使用済み核燃料プールの冷却設備には電気が必要で、電気の供給が止まると、メルトダウンを避けるためには緊急用電源に頼らざるを得ません。福島第一原発は、津波によって冷却設備の電源を失い、3つの原子炉がメルトダウンを起こしました。
原爆と原発事故を経験した日本から、原発の危険に怯える必要のない社会を実現するために、原発への依存を断ち切りたいと思いませんか?

自然エネルギーは安全で民主的なエネルギー
自然エネルギーは、テロや軍事攻撃の対象にはなりづらく、原子力のように放射線防護の高度な技術がなくても個人や地域で管理できる、安全で民主的なエネルギーです。融通し合うことで安定して電気を供給できます。原発のように何千年も管理が必要になる放射性廃棄物も生み出しません。
太陽の光や熱、風の力は、誰も独占することはできず、地球上のどこでも平等に、その土地にあった方法で地球からエネルギーを借りることができます。
私たちは、原発への依存をやめ、自然エネルギー100%で気候変動対策するように、政府に求めます。
署名提出先:
岸田文雄 内閣総理大臣
萩生田光一 経済産業大臣
山口壯 環境大臣
牧島 かれん 行政改革担当