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これは、スターバックスさんのコーヒー、サードプレイスとしての空間、スタッフの皆さんの親切で明るい接客が好きな私たちからの、お願いの手紙です。

最大手のコーヒーチェーンとして、地球環境への影響を減らすために、考え、行動しようとするスターバックスさんの姿勢は素敵だと思います。
スターバックスさんは、2月15日からプラスチックのカップにかえて、紙のカップを導入されました*1

しかし、導入する紙カップは、プラスチックでコーティングされているうえに、コーヒーを楽しむ数十分のために、森林資源*2を使い捨ててごみにしてしまいます。地球環境にいいと言えるでしょうか?

ごみの焼却では、気候変動を悪化させるCO2も排出され、税金もかかります。また焼却されたごみの焼却灰やごみを埋め立てる最終処分場は、後20年で満杯になり、ごみの埋め立てができなくなると環境省は発表しています*3。使い捨てを続ける限り、問題を他に移すだけです。

世界では毎年6000億の使い捨てカップが消費されています*4

使い捨てではなく、返却式リユースカップの導入や利用促進など、ごみがでない方法を取り入れていただけないでしょうか?

 

タンブラー持ち込みを越えた、お店ができる「脱使い捨て」の仕組み

海外では、今までと変わらずに手ぶらでカフェに行き、返却式リユースカップで飲み物を買うことができるリユースシステムが近年では見られるようになりました。テイクアウトでも、貸し出しが可能です。

 

アメリカで展開しているVessel Works社は、無料で使用できるリユースカップを貸し出しています。スマートフォンからの簡単な登録ですぐ使用することができ、返却は提携店舗や近くの返却ボックスに洗わずにそのまま入れるだけ

マイカップを持参しなくても、リユースカップで飲み物を楽しむことができます。冷たいのも温かいのも紙コップより長く楽しめるのも良いです。

マイボトルやマイタンブラーを持って行かれる環境意識の高い方も多いと思いますが、ごみ問題に関心がない人でも巻き込めるソリューションでなければ、ごみは出続けてしまいます。個人の環境配慮に任せるのではなく、お店側がごみの出ないシステムで飲食の提供を行っていくことが大切です。

グリーンピースが国内在住の1000人を対象に行った調査では、79.0%の人がカフェのテイクアウト時にマイタンブラー(自分の容器)を持ち込まないと回答しました。

こうした素晴らしい取り組みを、ぜひスターバックスさんが率先して、日本全国に広げていただけないでしょうか?

アメリカや、日本国内では沖縄でもリユースカップの実証実験にも参加していたスターバックスさんだからこそ、返却式リユースカップの重要性と実現可能性をよく知っているはずです。世界でも返却式リユースカップの成功事例はあります。

 

リサイクルは最終手段

紙カップもプラスチックカップも、現状ではほとんどリサイクルされず燃やされています。

仮にできたとしても再加工のために貴重なエネルギーを要し、素材は劣化していくため、リサイクルは無限にできるわけではありません。


リサイクルは「リデュース(減らす)」「リユース(繰り返し使う)」できないものに対して検討する最後の手段です。すでに海外では実用化されている返却式リユースカップの導入など、ごみを出さないサステナブルな仕組みづくりが必要です。

スターバックスさんは、「環境面でのリーダーシップを発揮する」ことを掲げていらっしゃいます。コロナ禍でも、ごみを出したくないという私たちの声に応えて、私たちの安全を考慮しながら、タンブラーの持ち込みを再開してくれました。

スターバックスさんが、使い捨てから、ごみがでない循環型に舵を切れば、コーヒー業界だけでなく、日本でリユースの仕組みが広がっていくきっかけになるはずです。

春には、さらに紙カップの利用を拡大すると発表されていますが、使い捨てないリユースの方法を、全国的に取り入れていただけませんか?スターバックスさんと同じく地球環境を大切に思う私たちの声に、ぜひ耳を傾けて、行動していただけたら嬉しく思います。

<リサイクルとリユースの違い>

日本語ではどちらも「再利用」と訳せますが、リサイクルとリユースは大きく違います。リサイクルは『製品を再加工して新たな形に作り替えること』です。対してリユースは『製品を最初に作られたそのままの形で何度も使うこと』です。

*1 https://www.starbucks.co.jp/notice/20213866.php

*2 スターバックスが導入した紙カップは、FSC認証が使われていることが公表されています。林産資材を大量に使用する場合、事業者が最も重視すべきことは、バージン素材の使用を最小限にすることです。最も持続可能な選択肢は、ポストコンシューマー素材100%のリサイクル資材と、責任を持って生産された代替繊維が推奨されますが、バージン素材がどうしても必要である場合には、FSC認証素材100%のものが入手可能な最良の素材といえます。ただし、産地によっては実施状況に不備のある場合もあり、法令遵守など補完的な方法が必要になる場合もあります。

*3 環境省「平成30年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」第3章 循環型社会の形成, 第1節 廃棄物等の発生、循環的な利用及び処分の現状より 4-1 最終処分場の状況 (イ)最終処分場の残余容量と残余年数 「2016年度末時点で、一般廃棄物最終処分場は1,661施設(うち2016年度中の新設は16施設で、稼働前の9施設を含む。)、残余容量は99,963千m3であり、減少傾向です。また、残余年数は全国平均で20.5年です。」

*4 https://science.sciencemag.org/content/368/6489/382.6

【いますぐ賛同する】

宛先:スターバックス コーヒー ジャパン

スターバックスコーヒージャパンは、プラスチックで提供しているアイスコーヒーとアイスティーの提供を2月15日から国内全店舗で紙カップに切り替えました。プラスチックは減ることになりますが、紙カップを使い捨てることで、年間6,100万個の紙ごみを出すことになります。
大量に資源を消費する使い捨てが前提の取り組みで止まるのではなく、返却式リユースカップの導入など、使い捨てないサステイナブルな社会をリードしてくださること期待しています!

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