刺されると強い痛みが生じアナフィラキシーショックを
引き起こすこともあるヒアリやセアカゴケグモ、
触れると死に至る恐れがあるほどの猛毒をもつカツオノエボシやヒョウモンダコ、
デング熱をはじめとする伝染病を媒介するネッタイシマカなど、
日本各地ではさまざまな危険生物の目撃が相次いでいます。
危険生物たちの目撃が相次いでいる背景にあるのは、私たち人間のライフスタイル。
グローバルな人とモノの移動、そして化石燃料を大量に使うことによる気候変動や乱開発、
都市化などによって生態系のバランスが崩れ、結果的に「危険生物に感謝される住環境」を、
私たち人間が知らず知らずの間に提供してしまっているのです。
危険生物に詳しい国立環境研究所 五箇公一先生 にインタビュー。
どうして危険生物が現れるのか?私たちの健康や暮らしにどんな影響が?
私たちが安心して暮らせるためにできることは?などなど、詳しくお聞きしました。
国立環境研究所 生態リスク評価・対策研究室室長。外来生物や感染症のリスクに関する研究をしており、生物多様性と人間社会の関わり方についても普及啓発を展開している
危険生物とサヨナラするために、私たちにできることがあります。
それは、環境に配慮したサステナブルな社会をつくっていくこと。
暮らしを見つめながら、自分にできることからはじめてみませんか。
危険生物の侵入を防ぐためにはまず、グローバルな人や物の流れを抑える必要があります。そのためには、食べ物も電気も、出てしまったごみの処理も国内でまかなうなど、循環型・地産地消の経済へのシフトすること。各地域の特色を生かして経済が循環すれば、海を超える過剰な物流を抑えることができます。
気温や水温の高まりが、危険生物にとって快適なエリアを増やすことにつながっています。二酸化炭素などの温室効果ガスを大幅に削減し、これ以上の温暖化を止めることが必要です。
人の手が入った里山や里海は、危険生物と人間の住処を分ける役割も果たしていました。いま荒れつつある里山や里海の豊かな生態系を育むことで、その環境に属さない危険生物が入り込みづらくなります。
地球規模の環境問題を解決するには、一人ひとりの努力だけではなく、
企業や政府に声を届けて、CO2やごみを出さない循環型の社会へ、
仕組みから変えていくことが欠かせません。
国際環境NGOグリーンピースは、
55の国と地域で活動する国際ネットワークを活かし、300万人の寄付サポーターの力をかりて、
循環型の社会の仕組みを作るために企業や政府に働きかけています。
グリーンピースのサクセスストーリーはこちら